胃もたれ
胃もたれとは、食事内容の消化が進まず、胃に食事内容物が長時間留まってしまう状態で、胃が重い、胃が張る、ムカつきや軽い吐き気を伴うこともあります。
胃もたれの原因となる消化器疾患としては、ピロリ菌感染による慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、機能性ディスペプシアなどがあります。
胃カメラでは胃や十二指腸の粘膜を詳細に観察することが可能であり、胃がん、胃・十二指腸潰瘍の診断だけでなく、ピロリ菌感染の有無を推測することも可能です。内視鏡所見で慢性萎縮性胃炎や鳥肌胃炎などピロリ菌の感染が疑われた場合は、保険診療でピロリ菌検査および除菌治療を行うことができます。ピロリ菌を除菌すると、胃がんリスクの低下、胃・十二指腸潰瘍の再発リスクの低下につながるだけでなく、胃もたれなど不快な症状の軽減も期待できます。
また、機能性ディスペプシアでは、胃カメラ検査で炎症などの病変を認めないものの、消化管の機能異常や知覚過敏などにより、胃もたれ、早期飽満感(少量ですぐにお腹一杯になる)などの症状を起こします。お薬や生活習慣改善で症状の軽減が期待できます。
胃もたれは大したことのない症状と思われる方が多いですが、深刻な疾患が隠れている場合があります。慢性的に続く胃もたれ、再発を繰り返す胃もたれは、放置せずに胃カメラ検査を受け、原因を確認することが大切です。