日帰り大腸ポリープ切除


当院では、大腸内視鏡検査で大腸ポリープが見つかった際には、検査当日に、日帰りでの大腸ポリープ切除を行っています。大腸ポリープを切除するために、数日間の入院をする必要はありません。(ただし、適応にはいくつかの条件があります。)

 

他の病院・医院では、まずは大腸内視鏡検査で観察だけを行い、大腸ポリープがあった場合は他の病院に紹介して、後日大腸ポリープ切除をおこなってもらうことや、検査当日は大腸ポリープの組織検査(生検)のみを行い、後日もう一度下剤を飲み直してから大腸ポリープ切除を行うこともあります。

 

なお、大腸ポリープ切除後は病棟で安静の上、点滴加療を行います(日帰り入院)ので、お帰りいただけるのは当日の夕方になります。

日帰り大腸ポリープ切除の適応

  • 大きさ1.5cm以下
  • 個数5個以内

※以下のような適応外の場合には、数回にわけて切除するか、対応可能な病院をご紹介させていただきます。

  • 大きさ2cm以上、悪性が疑われる大腸ポリープ
  • 5個以上の多数の大腸ポリープ
  • 抗血栓剤を多剤内服中の方

 

日帰り大腸ポリープ切除を可能にした 「コールドポリペクトミー」

1.ポリープにスネア(金属の輪)をかける

2.スネアをしめていく。

3.通電せずに、スネアをしめてポリープを切除する。


当院では、ポリープ切除の方法として、焼かずに切る「コールドポリペクトミー」を積極的に行っています。

 

コールドポリペクトミーは、5~10mm程度のポリープを安全に切除するための方法です。

 

従来の方法では、ポリープ切除の際には電気を流して焼いて切っていました。この方法では切除面がやけどのような状態になるため、切除後から2週間程のうちにおこる出血や穿孔(腸に孔が開く)といった合併症のリスクがあるとされ、切除後は数日間の入院加療を要していました。

 

コールドポリペクトミーでは、ポリープを焼かずに切除するため、出血や穿孔といった合併症を未然に回避することができます。また、コールドポリペクトミーでは、血液をサラサラにする薬(抗血栓剤)を内服中の方でもポリープ切除後の出血の危険が極めて少ないことが報告されています。そのため、ポリープ切除後に数日間の入院加療は必要なく、日帰りでの治療が可能になりました。